魚を食べると頭が良くなる、という説がある。その有効成分は魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)というω-3系の脂肪酸だ。臨床試験では、認知症やうつ、アレルギーなどの改善に効果があるとされている。
このω-3系脂肪酸と拮抗する存在として、ω-6系 脂肪酸がある。天ぷら油やマーガリンに入っているリノール酸がそれだ。昭和40年代から、動物脂肪のバターをやめてマーガリンにしようという“リノール酸 神話”が始まり、現在私たちは1日あたり約11gのリノール酸を摂取している。ちなみに必要量は2g程度だ。長期にわたるリノール酸の過剰摂取が、がんや アレルギーの原因となるプロスタグランジンE2という物質をつくり出すという。
ω-6とω-3はどちらも健康維持には不可欠の必須脂肪酸だが、問題は、リノール酸を含む食品が増える一方で、魚を食べなくなったために、両者の摂取バランスが崩れてしまったことにある。現在DHAの摂取量は1日400mgだ。願わくば、ω-6とω-3の比率を4:1にもっていきたい。
ω-3を食品で取るなら、α-リノレン酸を含むシソ油や亜麻仁油、くるみ、海草類に、EPA・DHAを含む魚介類をしっかり食す。DHAをサプリで補うなら1日摂取量は500~1000mg。
ついでに「トランス脂肪酸」をご存じだろうか。植物油の工業的処理によって生じ、広く食品中に含まれるが、過剰摂取が心疾患のリスクを高めるとして米国では含有量表示を義務づけることになった。留意しておきたい。
(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)