Posted on 3月 24th, 2007 by admin
Category: 日経ビジネス連載
働き盛りの男性に“鬱自殺”が増えているという。不況や競争社会、デジタル社会からの疎外感など、ストレスの種は山ほどある。
こうした精神的ストレスに対する体の反応は、たとえば熱暑や騒音、放射線などの物理的ストレス、薬やアルコールなどの化学的ストレス、細菌やウイルスなどによる生物学的ストレスのそれと同等だ。
リストラのストレスを受けている人が、騒音に悩まされ、逃げ場としてお酒に頼る、となると、複数のストレスが重なり、体の負担は大きくなる。
ストレスを受けるとどうなるか。大脳新皮質に混乱が生じ、「自律神経系」や「ホルモン系」のコントロールが乱れ、そのダメージが身体の弱い部分に出る。女性の場合、卵巣ホルモンの分泌が乱れ、不妊症を招くこともある。
ここで重要なのは、一時の大きなストレスより、小さくても慢性的なストレスの方が体の負担は大きいということだ。じわじわとストレスが持続すれば、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンを分泌し続けることになり、副腎は肥大し疲弊する。
対 策には、まずは栄養補給を。サプリメントを利用するのも手だ。副腎皮質ホルモンの材料となるタンパク質、その合成に必須のビタミンC、脳の機能正常化に働 くビタミンB群、ストレスにより滞った血流を改善するビタミンE、イライラ解消に有効なカルシウムとマグネシウム、それに十分な睡眠を加えれば、ストレス に強い体が出来上がる。ここに、しなやかな考え方や生き方を添えれば上出来だ。
(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)
Posted on 3月 2nd, 2007 by admin
Category: 米国レポート, Tags: 米国レポート
かつて日本でもてはやされたGI値(Glycemic Index)がダイエットや糖尿病予備軍の食事療法として、アメリカでにわかに注目をあつめています。アメリカの栄養療法における糖尿病治療では以前から、食材によって血糖値上昇のメカニズムが異なるこのGI値をベースにした食事指導が実践されてきました。GI値についての詳細な説明は省きますが、カロリー計算一辺倒の食事療法に比べ、エビデンス、患者のQOLが明確に考えられた治療法によって、今や、不治の病とされてきた糖尿病が、セルフコントロールと栄養によって完治することも夢ではないと考えられるようになりつつあります。最近、日本でもメタボリック症候群というキーワードが世の中を賑わせており、糖尿病をはじめとする生活習慣病にならないために、「予防」から「未病」という考え方も進められていますが、日本においては、医師や医療スタッフが考えている以上に、糖尿病患者が受ける精神的なストレスが多いことについての研究があまり行われていません。欧米では以前から患者のQOLを考えた治療法の研究が進んでいます。また、糖尿病、特にインスリンに依存しない2型糖尿病の進行には年齢や遺伝的な素因だけでなく、ビタミン、ミネラル、タンパク質など栄養素が深く関係していることが数々の研究で証明され実践されています。
日本における糖尿病と栄養の関係は依然としてカロリーに注目されていることは残念ですが、ここ数年、日本でもNST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)が大学病院や中規模以上の病院に設置され、医師だけでなく管理栄養士、看護士、薬剤師などのパラメディカルスタッフが参加し、患者の病中病後の栄養管理による治癒促進や管理を積極的に行うようになったことは歓迎すべきことだと思います。日本でも多くの医療施設が2型糖尿病患者の食事指導の際に「低脂肪・高炭水化物」を唱えますが、アメリカにおいて栄養療法で糖尿病患者に対応している医師やNSTのスタッフは、低脂肪・高複合炭水化物だけを選択するのではなく、患者のインスリン分泌状態およびグルコース―インスリン耐性を検査したうえで食事指導および栄養指導を行います。特に、2型糖尿病の家族歴を持つ患者への食事指導は「高タンパク・高ファイバー」が勧められます。
・インスリン抵抗性を持った2型糖尿病患者に対する栄養療法で処方される栄養素
1、クロミウム
クロミウム(3価)の摂取がファーストチョイスとなります。クロムは、インスリンに対する耐性を改善するミネラルであり、幸い非常に安全なミネラルです。Dr.ライトをはじめとする栄養療法医師のほとんどは、1日あたり1000μgのクロムを服用させることで、インスリン耐性の改善を行ってきました。
2、ビタミンC
ビタミンCには、2型糖尿病の中期以降に発現頻度の高い、糖尿病性神経症の原因とされているソルビトールの蓄積を防ぐ作用があるとされています。ビタミンCの選択に際して、市販されている多くのビタミンCには、甘味料としてソルビトールが含まれているものが少なくないと言うことに注意するべきです。
3、ビタミンE
非常に高い抗酸化作用を示すビタミンEは、ビタミンCとともに酸化ストレスの除去を促進するとともに、グルコース感受性を改善します。このとき、オメガ-3脂肪酸を豊富に含むFLAX油などを併せて摂取することによって、インスリン耐性改善を促進させます。
4、ビタミンB6
ビタミンB6は、糖化、および、炭水化物分子がタンパク質分子と反応することにより糖化するプロセスによって産生される糖化複合体(AGEs:Advanced Glycation end products)の崩壊を予防する作用をもち、糖尿病性神経症の予防に効果的なビタミンです。
5、α-リポ酸
α-リポ酸は抹消循環の改善作用が強いことから、糖尿病性神経症の予防に効果的です。また、糖化複合体(AGEs)がつくられることを防いでくれます。
6、バナジウム
バナジウムは必須ミネラルではありませんが、膵臓を除去したラットにおける動物実験で、バナジウムを与えたラットの血糖コントロールが可能であった研究結果をもとに、栄養療法ではポピュラーに処方されるミネラルです。実際、栄養医学研究所における爪分析検査の結果、2型糖尿病と診断され治療を行っている被験者の多くは、バナジウムレベルが正常者に比べて低い結果がでています。
7、シナモン
シナモンに含まれる水溶性成分のMHCP:メチルヒドロキシカルコンポリマー(Methyl Hydroxy Chalcone Polymer)はインスリン様作用を示すことがアメリカの国立健康研究所(NIH)で発見されています。MHCPにはインスリンと同じように、血液中のグルコースを細胞内への吸収を促進させる働きがあるだけでなく、グリコーゲンの合成を促進する働きもあります。またMHCPはインスリンと共に働く協調性をもっており、必要以上にインスリンの生産を促すことはしません。
従来のビタミン・ミネラルに加えて処方されることで、適確な栄養素の摂取によって、2型糖尿病はもはや治療困難な病気ではないところまできています。
栄養医学研究所 所長 佐藤章夫
日本サプリメント協会顧問