サプリメントがわかりにくい理由

サ プリメントの商品に、滑稽な感じを受けたことはないだろうか。たとえば花粉症対策の商戦にぎやかだが、その商品名を見ると「アレル気サポート」「アレピ タッ!」など、連想ゲームのような命名が目に付く。商品まわりには、「スギなどの季節を快適に」とか「春の季節のお悩みに」とあるので、「花粉症に効きま すよ」と言いたいことはわかる。が、薬事法の規制でストレートに言えない。その滑稽さやもどかしさが、買い手に妙な不快感を与える。

商 品にはきちんと開発されたモノもあれば、商品名と箱のイメージだけで売ろうとするモノもある。本来、その含有成分の機能性や、原材料の確かさが、情報とし て買い手に提供されるべきものだが、まだ曖昧な食品の分野だから混乱を招くという危惧もあって、物言うことを禁じられている。これを正しく守ろうとする と、買い手にとっては訳の分からない商品になる。

一 方で、巧みに物言う策士もいる。先頃、「がんに効く」という出版物でアガリクス商品を売ったとして、薬事法違反に問われた出版社がある。本の巻末に問い合 わせ先を掲載し、客を呼び込む、いわゆる「バイブル商法」だ。こうした狡猾な売りの手口を見極めるには、やはり感度が必要だ。

薬 事法の規制でいうと、「飲み方」の表示もそのひとつで、食後とか就寝前、一回3粒といった表現はだめ。薬と見紛うから、という理由らしいが、実際「一日6 粒を目安に」とあって、朝一度に6粒摂る人がいる。通常は食後、分けて摂るのが望ましいのだが、こうした情報は自分で収集するほかない。

(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)


インタビュー Vol.2

(パート1からつづく)

陽子: 栄養セラピーに英国職業基準(National Occupational Standard)が導入されたのはいつ頃ですか?

へザー: 2002年です。

陽子: 栄養セラピーに英国職業基準が導入され、この業界に変化は見られましたか?

へザー: 即時に効果が見られたという事はないですね。この業界は急激な変化が短期間で見込まれるものではないと思います。コスト的にも、教師のレベルの向上にも時間が掛かるものなので。とは言っても、教育レベルの向上には目を見張るものがあります。一つ付け加えたい事は、ウエストミンスター大学は常に栄養セラピーに関して英国職業基準よりも高レベルだという事です。現時点では、英国職業基準は(栄養セラピーに関して)大学レベルの教育を最低基準にしているわけではありません。業界の次のステップは信頼を得て人々から認定されることです。

陽子: コースを開始して以来、生徒の受け入れは増加しましたか?

へザー: 私達の大学では運営に関する政府からの資金等の関係で、1年に28人しか受け入れできません。これはコース開始当初から同じです。

陽子: 過去10年程の間に英国内の栄養セラピーのコースに増加は見られますか?

へザー: たぶん2つか3つほど増えたようです。ここ数年の傾向としては、様々な専門学校が大学とのコラボレーションを取り入れている事です。大学との関わりによって平均的に教育レベルは上がっていると思います。

陽子: 卒業生の中で得に目立った活動をしている人はいますか?

へザー: 学位を持つということは栄養セラピストにとって有利な事です。未だに新しい職業と捉えられる事のある栄養セラピーに信頼が寄せられ、従来医療の医師からもそれなりに扱われるという事です。生徒は医師と医学の専門知識を元に会話が出来る位に教育されています。ここ数年では医師とコラボレーションしている栄養セラピストも見られます。大学の講師の一人であるバワリー ハーヴィーもその一人で、他に何名かの卒業生も開業医師のクリニックで働いています。また 卒業生のなかには英国の食料・サプリメント関係を取り締まるフード スタンダード エージェンシー (Food Standard Agency)やヘルス関係のチャリティーで働いている人達もいます。セラピストとして有名になった人達もいます。さらに、大学院に進んだ者や、博士号を取得した人達も出てきています。これはとてもいいニュースで、そのような人達が研究論文を発表する事によって、従来医療の世界に栄養セラピーの認知を高める事になるからです。実のところ栄養セラピーの学生は従来医療の研究論文を用い勉強している為、生徒にとってもいいニュースです。

陽子: あなたがこの業界に関わって以来、サプリメント市場に変化はありましたか?

へザー: サプリメント市場は大きく向上したと思います。特にプロダクトの品質向上には目を見張るものがあります。私がヘルスフードショップに関わっていた1980年代には基本的な物しかなく、人体への吸収、効能のレベルは今と比べると大きく劣ります。またサプリメント使用に対する一般の人の偏見も減り、以前ではヘルスフードショップでしか買えかったのですが、今では薬局やスーパーマーケットでも品質の良いサプリメントの購入が可能です。実は現在、英国政府は学校でフィッシュオイルを生徒に与えるかどうかを議論しています。精製されていないパンを食べていると変人に見られた時代はそんなに昔ではありませんが、ここ10?15年の間にサプリメントをはじめ、健康食品のマーケットにも変化がありました。

陽子: Yusuke さん、何か質問はありますか?

Yusuke: 英国政府が栄養セラピーを公式に認知し従来医療のように公式な規定(Statutory Regulation)を執行する事になると思いますか? それにはどれ位かかると思いますか?

へザー: 現在のところ、政府は栄養セラピーに公式な規定を執行する意思はありません。栄養士にはそのような規定はあります。しかし、彼らの働いている環境は栄養セラピストとは違い、主に病人を扱いもっとリスクの高いものの為、必要不可欠なのです。数年前に上院(House of Lords)が代替医療の現場を調査したことがあり、私も栄養セラピーの実情を発表しました。その時の結論が鍼灸やハーブ療法に比べると栄養セラピーのリスクの可能性は低いという事でした。現在、整骨医とカイロプラクティックは公式規定が執行されており、鍼灸とハーブ療法も将来この範囲に含まれる予定です。栄養セラピーは低リスクと見なされている為、執行予定はないのですが、私自身は執行を望んでいますが、栄養セラピー業界はまだその段階ではありません。その代わり、政府は栄養セラピーに対し英国職業基準を執行しこの業界の発展を見守っています。また現在、代替療法のチャリティー The Prince’s foundation for integrated heath は様々な代替療法をまとめて公式規定(federate statutory regulation)を執行させようと基盤を作っています。もし執行される事になれば栄養セラピーも含まれる予定です。これはとても楽しみなニュースです。

陽子、Yusuke:私達も栄養セラピーがもっと広く認められ発展してくのが楽しみです。今日はどうもありがとうございました。


へザー・ ローザにインタビュー Vol.1

先日、ウエストミンスター大学栄養セラピー(Nutritional therapy)コースの創設者であるへザー・ ローザにインタビューしました。ウエストミンスター大学には代替医療・セラピーのコースがあり、その中にはホメオパシー、西洋ハーブ医学、鍼灸および中国医学、ナチュロパシー、理学療法およびマッサージ、そして栄養セラピーのコースがあります。 この日は現在栄養セラピーコースで学んでいるYusukeさんにも参加して頂き、へザーの事務所で行われました。

黒川陽子: あなたの経歴について教えて頂けますか?

へザー: 栄養セラピーの道に進む人によく見られる動機が自分自身の健康に問題を抱えている人達です。私の場合もそうで、子供時代から体の弱い子でした。しかし、親元を離れ自分で自分の健康問題に向き合ったとき、食事の改善と基本的なサプリメントを摂取することによってだんだん健康になっていったのです。それからは、健康な食事とサプリメントに興味を持ち自分でいろいろと試してみるようになりました。私は最初、体育科の教師になる為の勉強をしましたので、運動に関しては知識がありましたが、食事・サプリメントと健康に関しては自己知識にとどまったものでしたので、もっと勉強したいと思ったのです。

陽子:それがこのコースを創設した理由の一つですか?

へザー: このコースを創設した理由は他にもあります。私は自分の健康管理にとても興味があったので、大学卒業後は健康食分野における仕事に就きました。最初は健康食品店のマネージャーとして働き、お客さんにサプリメントや健康食品についてのアドバイスをしていました。当初はこの会社から受けたトレーニングに基づきアドバイスを提供していたのですが、6年間働いていた間に社員にプロダクト アドバイザーになる為の社員教育全般を任せられるようになりました。このあたりからだんだんと正式に栄養学の勉強がしたいと思うようになりました。しかし、1982年のイギリスではもし正式に栄養学を勉強したければ栄養士になるしかありませんでした。栄養士は病院で病人の治療をしている人達の事で、私の求めていたものとは違いました。もっと、健康食やサプリメントを扱ったもの、予防療法を含めて勉強したかったのです。その当時そのような事を教える学校はパトリック ホルフォードが創設したインスティチュート オブ オプティマム ニュートリション(Institue of Optimum Nutrition)しかなかったので、私はそこで勉強しました。彼らは通信教育の形をとっていたので、マンチェスターに住みながら時折ロンドンの学校にも出席しては勉強しました。

陽子: そのコースを終えてどうでしたか?

へザー: 私は教師として学位を取ったこともあり、この学校の教育の質を客観的に観察することが出来ました。この学校を卒業した後、実は栄養セラピストとして働こうと思ったのですが、何かが足りないと感じるようになりました。実践的な訓練が欠けていたのです。患者とどのように接するかは、ホリスティック医療に関わる人には特に重要です。栄養セラピーの教育制度を向上させなくてはと思っている間に、ほかの専門学校と関わりを持つようになりました。レイワース センター(Raworth centre)、2年制の専門学校で栄養セラピーのコースを創設する事になったのです。1987年のことです。実はこの事によって、私の名前はこの業界に知られるようになりました。私はこの専門学校で10年間、副校長をしていました。

陽子: レイワース センターは今でも栄養セラピーを教えているのですか?

へザー: ええ、今でも教えています。この学校とはとくに私達は親しくて、この学校を卒業した生徒はウエストミンスターの栄養セラピーコースの2年生に編入できるようになっています。

陽子: レイワース センターと関わった後に、何か思ったことはありましたか?

へザー: 私この専門学校にいた頃は、栄養セラピーに実践的なトレーンニングを取り入れより包括的な教育を目指していたのですが、その内に栄養セラピーにはもっと高いレベルの教育が必要だと感じるようになりました。大学教育が必要だったのです。その頃、ウエストミンスター大学のブライアン イスベル博士が英国で最初の代替医療のコースを創設しているところでした。

陽子: それはいつ頃ですか?

へザー: 1995年頃だったと思います。イスベル博士は当初、鍼灸とホメオパシーの専門学校を大学に招待しコースを設立していました。その2年後程、イスベル博士は他の代替セラピーのコースの増設も考えており、西洋ハーブ医学と栄養セラピーのコースの設立の為、私も招待されました。栄養セラピー教育を大学レベルで行う事は私自身も考えていたので、このチームに参加しコース設立となったのです。レイワース センターとは違う独立した形で創設しました。栄養セラピーを大学レベルで教えるのはとても意義があります。というのは、病院で働いている栄養士と同等に扱われ、医者や病院関係者から認められる事になるからです。それから私がコースリーダーになり、現在に至っています。

陽子: 栄養セラピーコースの設立は1998年頃ですか?

へザー: そうですね、その頃に設立準備を整えていたと思います。その頃は栄養セラピーに関してこのような学位レベルのコースは世界でも初めてでした。

陽子: その頃はインスティチュート オブ オプティマム ニュートリションやレイワース センターの他にも栄養セラピーのコースはありましたか?

へザー: 6つか7つ程のディプロマ取得可能な専門学校はありました。

陽子: あなたの意見では、ウエストミンスター大学の栄養セラピーコースをどのように評価していますか?

へザー: リーダー的な存在であると思っています。イギリスは殆どの大学が国立で国が大学のレベル維持と向上を常にチェックしています。このコースも過去8年の間に様々なチェック受け向上を重ねてきました。また、大学には他の代替セラピーのコースもあるので生徒は他のセラピーとのコラボレーションも学ぶこともできます。これはホリスティック医療には欠かせません。しかし、なんと言っても一番の強みはウエストミンスター大学にはクリニックが併設されている事です。生徒は本当のクリニック現場で実践的に学ぶことができます。代替医療の教育現場でこのような本物のクリニックが併設されているのは、ここの大学のみです。クリニックの質を上げるためにも努力はされており、クリニックで働く先生方にも常にセラピストとしてのテストがなされています。大学というのは常に最高の教育レベルを求めるものなのです。

陽子: その他に大学という環境で学ぶ強みはありますか?

へザー: さっき言ったように、大学は常に最高の教育レベルを求めるものですが、それには大学の設備も含まれます。コンピュータをはじめあらゆる機器、科学研究室、図書館をはじめ常にその質が向上されています。これは、ほかのプライベートな専門学校はかないません。とてもお金のかかる事だからです。

陽子: このコース開設以来、カリキュラムの変更、向上などはありましたか?

へザー: 当初に比べると大分向上しました。私達は生徒からも意見を取り入れ、また生徒の成績向上を見計らいカリキュラム変更を重ねてきました。また、栄養セラピーまた代替医療を取り巻く法律にも常に注意を払い、カリキュラム作成に取り入れています。以前は知名度の低かった栄養セラピーですが、現在では正式の規制機関である Nutritional therapy council や、正式な栄養セラピー プロの団体British Association of Nutiritonal Therapyも発足し、年々栄養セラピービジネスの地盤を固めています。ウエストミンスター大学栄養セラピーの卒業生もこれらの活動に関わっています。私がこのコースを始めたころは、栄養セラピーの教育レベルの設定がしっかりしていなっかたのですが、今では英国職業基準(National Occupational Standard)でも設定されており、この基準に基づき栄養セラピー評議会により教育レベルが管理されています。私自身も栄養セラピー評議会の教育部門の顧問をしています。英国職業基準と栄養セラピー評議会の発足により、栄養セラピーの教育は今までになく高いレベルに発展しています。

(パート2につづく)