Posted on 11月 24th, 2006 by admin
Category: 日経ビジネス連載
店頭にずらりと並ぶサプリメントから、的確なものを選び出すほど難しい買い物はない。売り手の話は魅力的だが、たいてい話半分にしておいた方がいい。脚色はどこにでもある。
脚色がないということで言えば、通常ラベル表示は額面通りだ。ただそれを見る側に少々の知識が必要だ。
その1、「内容量」に記載されている数値は、主要成分の含有量だと勘違いされやすいが、原材料欄にあるすべてのものを含んでいる。本来、カプセル等を除いた内容量を知りたいところだが、通常はカプセルも添加物も含まれての数値だ。
そ の2、「製造者」や「販売者」の表示は、責任の在りかを表明したものだ。どこで作られたのか、だれが販売しているのかを教えてくれる。そこでラベルをよく 見ると、氏名(会社名)と所在地の横に、MTとかABCいったアルファベットが併記されているのに気づく。これは製造工場の「固有記号」で、作った工場が 特定されるわけだ。
注意したいのは、販売者や輸入者の表示だけで、製造工場の固有記号が記載されていない場合。これでは、どこで作ったのかがわからない。
一方、輸入食品については原産国の表示を確認しよう。
その3、「栄養成分表示」は任意だが、何がどれだけ入っているかをチェックできるので、表示があったほうが親切。ただ法規制で、表示してはいけない成分もあるので、もどかしい。
その4、「問い合わせ先」はユーザビリティの指標だ。質問、相談受け付けます、という姿勢の表れ。利用したい。
(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)
Posted on 9月 24th, 2006 by admin
Category: 日経ビジネス連載
サプリメントを買いに行ったが、どれを選んでいいのやら迷った挙げ句、買わずに店を出た、という経験をお持ちの方は多いだろう。
近頃はアドバイザーを店に置き、選択のサポートをするところも出てきたが、アドバイスとは名ばかりで、単なる販促活動だったりするからうかうかできない。
そこで、知識が身を助ける。失敗しないサプリメント選びのためのいろはを知ろう。ただ、品質の善し悪しを言い出すと迷宮入りしてしまうので、まずは商品のラベルを見るコツを身につけたい。
その1、ラベル表示の頭の「名称」を見る。「トマト加工食品」「アミノ酸含有清涼飲料」といった内容で、「商品名」とは別物だ。ここにその商品の特性が端的に表現されている。
その2、「原材料」を確認する。原材料は必須記載項目である。使用しているすべての材料が、重量の多い順に書かれている。食品添加物も材料の後ろに、やはり多い順に書くのが決まりだ。アレルギー表示や遺伝子組み換え表示もここに記載される。
例えば、卵アレルギーの方は原材料欄の卵やエッグという記載に注意する。また糖尿病の方は、ブドウ糖・粉糖・液糖などの表示が上位にあれば敬遠したい。同じく高血圧なら、食塩やナトリウムの表示をチェックする。毎日摂取するとなると、たとえ少量でも侮れない。
このほか「内容量」や「製造者」「栄養表示」についても見方のコツがある。
詳しくは次号で。
(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)
Posted on 5月 24th, 2006 by admin
Category: 日経ビジネス連載
「更年期」というと女性の専売特許だと思う向きも多いだろうが、近ごろは男性更年期も市民権を得てきた。
症状は女性と似ており、疲労感、動悸、頭痛、肩こり、頻尿などの身体症状に加え、イライラ、不安感、うつ状態といった精神心理症状、またED(性機能障害)を訴える男性も多いという。
ホルモンの低下が要因だとされているが、閉経がきっかけになる女性の更年期ほど顕著ではなく、むしろストレスや過労、几帳面な性格などが関係しているようだ。
手短に言えば、50年働いてきて多少ガタがきた体に、仕事の失敗や家庭の不和、健康不安などがのしかかってくることで、体内の環境のバランスが崩れて不定愁訴が現れる、という話だ。
思い当たるフシがあれば「更年期」を想定して対処したいが、“更年期薬”はない。ホルモン補充療法はあるが、副作用が気になる。予防につながるサプリメントの明確な根拠もない。
た だ、崩れたバランスを調整する目的でいうなら、まずマルチビタミン、ミネラルを補給して様子を見るという手はある。これに主訴となる症状にあわせてトッピ ングする。大豆イソフラボンは男性のホルモンバランスにもいいようだ。頻尿が前立腺肥大の疑いならノコギリヤシがある。不眠ならバレリアン、勃起障害には マカがある。
とはいえ、酒やタバコ、不規則な生活を放置したままでは、珠玉のサプリメントも非力になる。運動不足だってホルモン分泌を低下させる一因だというのだから、まずは栄養・睡眠・運動・休息のチェックをお忘れなきよう。
(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)
Posted on 4月 24th, 2006 by admin
Category: 日経ビジネス連載
サプリメントは薬だと思っている人は多い。形状が、カプセルや錠剤だからか。そのうえ商品広告のキャッチフレーズを見ると、「糖尿病に効く」「アトピーが治った」「ガンを克服」などの記述が巷に氾濫している。
し かし、サプリメントは基本的に「食品」なので、「薬」のような治療・予防効果を謳うことはできない。先述の広告例などは明らかな違法行為だ。法律(薬事法 第2条)では、「身体の構造、機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」というのは薬の専売特許で、食品はその外にある、という解釈だ。
た だ実際は「食品」によって症状が改善したり、疾患が治癒したりする例は山とある。たとえば「ギムネマ・シルベスタ」という素材がある。ガガイモ科の植物だ が、腸管での糖の吸収を遅らせてインスリンの分泌を抑える。糖尿病の治療薬と同様のメカニズムだ。サプリメントには、こうした薬理作用を持った「食品」も 数多くある。
一方、頭痛を例にとると、薬は痛みを抑える対症療法を行うが、γ-リノレン酸やビタミンEの摂取で頭痛が治る場合は、これらの栄養素によって末梢の血流が良くなることで症状が改善する、いわば原因治療だ。筋緊張性の頭痛には、このケースが多い。
に も関わらず効果を謳えないのは、その因果関係を科学で証明しにくいからだ。ニュートン以来の科学が、還元主義的な手法を得意としてきたので、薬のような“ 単純系”には役に立つが、食品のような“複雑系”には沿わない。結局は科学の判断を待つよりも、自分の体に聞いてみるのが正解だろう。
(後藤典子=NPO日本サプリメント協会代表理事)
Posted on 3月 3rd, 2006 by admin
Category: 日経ビジネス連載
いまやコンビニの棚にも並ぶサプリメント。「いわゆる健康食品」を指すが、定義はなく、形状は薬のようだがあくまでも「食品」だ。その市場は右肩上がりで膨らんでいる。しかし、利用実態をみると何となく危うい。
たとえばダイエットを目的 に、サプリメントを食事代わりに摂っているという若い女性は多い。中高年の男性にも肥満対策としてウケている。カロリーを抑えて必要な栄養素だけ補給でき るとか、糖質や脂質など肥満の元になる栄養素を体外に排出すると謳ったダイエットサプリメントは、どれも勢いがいい。
しかし、人間の身体はそう簡単にはできていない。そもそも極端にカロリーを抑えると、エネルギー代謝や新陳代謝といった身体の日常の営みに支障をきたす。車でいえばガソリン不足だ。
また、摂ったカロリーを代 謝するためには、ビタミンやミネラルといった必須微量栄養素が必要だ。カロリーがガソリンなら、ビタミンはエンジンオイル。だから食事を抜いてビタミンだ けを摂ることは、ガソリン切れの車に、エンジンオイルを注いでいるようなもの。役に立たない。
目の敵にされる糖質や脂肪も大切な栄養素だ。糖質は脳や神経系の活動に不可欠だし、脂質も細胞膜やホルモンの構成成分として欠かせない。こうした栄養素をダイエットのために捨て続ければ、いつか不具合がおきるだろう。
要は「ほどほどにバランスよく」食べ、足りない栄養素をサプリメントで補って代謝を整える。これがダイエットの本道ではないかと思う。
(後藤典子=ジャーナリスト、NPO日本サプリメント協会代表理事)