サプリメント指導士養成講座レポート 8月7日

今回は栄養医学研究所所長の佐藤章夫先生をお招きして、前半は『サプリメントの設計と製造』、後半は『ビタミン、ミネラルの機能性と利用法』についてお話をいただきました。

日本ではサプリメントはあまり普及しておりません。一方、欧米では広く受け入れられています。その違いはどこから生まれてくるのでしょうか。サプリメントを設計あるいは製造するときに、どこに目的を置いているのかについて、日本と欧米の比較からお話いただきました。
またサプリメントとして代表的なビタミンとミネラルに注目し、その機能性、また人間の体にあった正しい利用法についてお話をいただきました。
そして、それらを考えるには、根本となる人間の体、消費者個人が自分の体についての理解から始めなければならないとお話いただきました。人間は心と体でなり、それを支えるものとして、食があります。心と体のあり方が全く同じ人間はいません。人間はそれぞれに個性を持っています。自分個人の体のことを知ることなくして、食についての知識は意味を成さないのだと感じました。

日本の市場を見たとき、サプリメントの普及率はとても低いです。そこには、安かろう悪かろう、高かろう良かろう、どの有名人が飲んでいる、メジャーな雑誌で掲載紹介された、TVの健康番組で取り上げられたなど、流行や外見の装いにばかり目が行き、中身や使う目的が明確ではないように感じます。
それに対してサプリメントが広く普及している欧米の市場では、ビタミンやミネラルなどベースとなるサプリメントの売上は流行の影響をあまり受けませんし、風邪の予防になるといわれる亜鉛とビタミンCの入ったお菓子が秋口に積極的に販売されるなど、具体的な目的を持った上でサプリメントが使用されているのです。
日本にはどこの国にも負けない高い水準のサプリメントの生産技術を持っています。安全性や品質管理、消費者対応においてとても優れているのです。ただ中身が伴っておらず、消費者への教育が置き去りにされている現状を皮肉に感じました。

もっと食に対して、消費者自ら意見を持つべきであるし、サプリメントの目的を明確に理解するべきなのです。それはサプリメント業界を育てることにつながりますし、ひいては品の選択肢が増え、消費者自らの健康の向上のチャンスを増やすのです。
ビタミンやミネラル、各成分の持つ機能についての理解はもとより、体の吸収メカニズムから考えて、摂る時間を調節する正しい利用法を考えなければなりません。
また個々人の体の状態を把握しておくこと。それがあって本当の健康作りといえると思います。便の調子や、尿の状態を見るだけでも、自分の健康をチェックすることができます。身近なところに対する意識が健康の基本であり、体を大切にすることにつながっていくのです。

サプリメントなどそれぞれの食品本来の目的を、改めて認識させられる講義となりました。体あっての健康つくりです。
有意義な貴重な時間をいただけたことに感謝いたします。
ありがとうございました。

[文責 瀬尾泰裕]


サプリメント指導士養成講座レポート 7月24日

今回は当協会の理事長後藤典子と、ヘルスビジネスマガジン社代表取締役会長の木村忠明先生をお招きして、講座を行いました。

後藤典子理事長『サプリメントについて』

私たち消費者がベースとして押さえておくべき、サプリメントの基礎知識についてお話をいただきました。まず、そもそもサプリメントとは何なのか、またサプリメントと付き合うにあたって私たちが留意すべきことは何なのか、そしてサプリメント商品の正しい見方についてです。
サプリメントを含む健康食品の市場は現在年々拡大しています。メディアの影響や、コンビニなどで手軽に購入できるようになっている背景があります。また主に40代をピークにサプリメントを使う人が多い現状です。体の変化を感じ始め、健康管理に意識がいく年齢です。サプリメントは市場において、受け入れられてきている現状があるのです。
サプリメントは食品の特定の栄養成分を抽出した加工食品です。ですので、食事の「代用品」ではありませんし、薬と同様の目的で使用するものではありません。にんじんがカロテン、カリウム、食物繊維だけで出来ているわけではないです。一部の栄養成分であり、その他にも食材は見た目の色合いを楽しんだり、噛むこと、胃腸を働かせることなど栄養成分以外の要素も備えています。サプリメントはあくまでも、私たちの健康を補助するものなのです。
サプリメントの法的な位置付けは難しいのが現状です。口に入れるものは医薬品、食品に分類されます。食品はさらに、いわゆる健康食品、栄養機能食品、特定保健用食品に分類され、効能表示が規制されています。現在も健康食品の取り扱いについて、国で審議が続いている状態です。
ただ、サプリメントは現代の私たちの生活に必要なものとなっています。食事の欧米化、農薬や化学肥料の利用、加工食品、外食、ファーストフードなどによって私たちの食生活は変化し、インターネット、コンビニ、エアコンの普及などライフスタイルも変化しています。また紫外線や排気ガスなど生活環境も悪化し、ストレスの多い社会です。土地自体がやせてきている現状もあります。サプリメントは現代の私たちの生活を支える上で大きな役割を果たすものだと理解できます。
その付き合い方には留意が必要です。食品とはいえ、成分を抽出したものですので、製品の品質・内容、摂取の仕方、そして利用者の状態を考慮しなければなりません。特に、薬品との飲み合わせでは、相乗効果、相殺効果が考えられることから注意が必要です。
最後に当協会の定める正しいサプリメントを選ぶモノサシをご紹介しました。信頼できる先生方のご指導のもとに定めています。
サプリメントの意味を理解し、付き合い方を考え、正しいものを見極める目を養うことのできる講座となりました。この土台の上で、ご指導くださる先生方の話をより深く理解できるようになるだろうと感じました。

木村忠明先生『健康食品の規制』

健康食品を取り巻く法律を中心にお話しをいただきました。日本の健康食品がどのように分類されているのか、また通常の食品、医薬品との関係で健康食品がどのように法律的位置付けがされているのか、そして今後健康食品の規制がどのようになっていくのかについてです。
健康食品は大きく分類されています。国の制度があるものとないもので、「保健機能食品」といわゆる「健康食品」に分類され、「保健機能食品」はさらに「特定保健用食品」、「栄養機能食品」に分類されます。「特定保健用食品」は体調のリズム調節や生体防御、疾病予防、疾病回復、老化防止などの健康を維持する三次機能に注目し、不適切な生活習慣に伴う健康リスクを低減するように工夫された食品で、健康に対してどのような機能をもっているか「保健の用途」を表示することを、厚生労働大臣が許可した食品です。「栄養機能食品」は栄養素の機能の表示をして販売される食品で、ビタミン・ミネラルが1日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上・下限値の範囲内にあるものを言います。その分類によって商品の効能を消費者に示すのに細かな指導が行われているのです。
また健康食品はいくつかの法律によって規制されています。健康増進法、食品衛生法、薬事法、景品表示法などです。そして、薬事法と健康増進法により効果を言える食品は保健機能食品だけとなったのです。ただ、「医薬品広告3原則」で販売目的でなければ効能効果を言えるのです。顧客を引率する意図が明確であること、特定医薬品の商品名が明らかであること、一般人が認知できる状態であることの3点に該当しなければ言えるのです。これによって業者間の健康食品のやり取りが円滑に行われています。
そして今後の規制は、消費者庁ができたことや政権交代などで変わる可能性は大いにあります。ただ国際的に日本の健康食品行政は孤立している現状にあることが懸念されます。
規制の程度を定めることは難しい問題だと思います。しかし、国民一人ひとりが自分の健康について、しっかりと考えられるよう正しい情報を届けることができるように、法律があってもらいたいです。

[文責 瀬尾泰裕]


サプリメント指導士養成講座 7月10日

サプリメント指導士養成講座が開講です。今回は早川明夫先生と佐藤務先生をお招きいたしました。

早川明夫先生『医薬品と食品、サプリメントの相互作用~その現状と事例研究』
医薬品の多くは、天然物に由来しています。一方、現在市販されているサプリメントの成分には元々医薬品として開発されたもの、何倍にも濃縮して有効成分を規格化したエキスが使われるようになってきています。医薬品とサプリメント成分は限りなく近づいている現状があり、医薬品との相互作用を起こす可能性が高くなっています。サプリメントを安全に使用するための基礎知識として、相互作用概論、サプリメントや食品との相互作用が特に問題となる抗凝血薬ワーファリン、また薬物代謝を左右するサプリメント成分についてお話をいただきました。
まず相互作用には2つが主に存在することを学びました。1つ目が同時に服用した薬物の吸収、代謝、分布、排泄が影響される、薬物動態学的相互作用。2つ目が同じ作用を持つ成分が同時に服用されることによる作用の相乗、相加または相殺という薬物力学的相互作用です。
薬物動態学的相互作用では、特に代謝系で影響が多く、サプリメントとの相互作用で注目されるのがCYP450、P-gpです。CYP450は酵素で、腸管と肝臓共に、経口で服用された医薬品の生物学的利用率を調整します。P-gpはATP依存性ポンプで、細胞から基質を運び出す働きをしていて、同様に医薬品の生物学的利用率を調整します。これらをサプリメントが誘導あるいは阻害することで薬物の生体内利用率が変わるのです。
また薬物力学的相互作用で有名なのが抗凝血薬ワーファリンで、国によってサプリメントとの付き合い方が様々です。
相互作用についての情報は世界単位で共有されています。しかし、地域の文化によって、捉え方が様々なのは面白いところだと感じました。例えばアメリカなどサプリメントが広く認められている国ではうまい併用の仕方を考えようとします。逆に日本などサプリメントがあまり認められていない国では、否定的な捉え方が強いようです。
集団を対象とした平均値医療から、個人を対象としたパーソナル医療へと変わってきています。人を人として捉える動きが出てきているのです。情報があふれている今、自分にあった情報を取捨選択し、自分の健康は自分で管理するセルフメデュケーションの大切さを改めて感じました。

佐藤務先生『サプリメント総論(心と身体の健康相関理論)』
佐藤先生は健康支援科という特殊外来を立ち上げました。様々な日常症状を薬剤ではなく生活習慣を変えることで克服し生活習慣病の芽を未然に防いでいくことを目的にしています。自分でできることをまず実践していこうという意識のもと動かれています。先生自身もプランター生活をはじめ、自身に必要な野菜を自分で選び、自分で栽培し、調理し、食し、自ら心身を癒すことに励まれ、奨励していらっしゃいます。そして、患者という人と接する中で気付かれた精神代謝という考えのもと、人を見た健康づくりに日々励まれているのです。今回は内部環境であるこの精神代謝から見た、新しい人間の見方、健康の考え方についてお話いただき、外部環境から見たときのサプリメントの必要性と正しい摂り方についてお話をいただきました。
精神代謝という考えは、精神系と身体系の代謝を独立させて捉えることから生まれます。次の2つの理由から捉えることができます。脳には血液脳関門があり栄養面で身体とは独自の代謝システムを持っているという物理的理由、身体系の成長のピークと精神系のピークには相違があるという精神的理由です。そうすると、従来の無意識の新陳代謝と意識下のエネルギー代謝から、生物学的精神代謝と社会的精神代謝が独立します。生物学的精神代謝は、ホルモンや神経伝達物資がつくる恐怖心や喜怒哀楽などの感じる心であり、社会的精神代謝は人間独自の言語を介し思考や創造をするコミュニケーションです。それぞれ栄養が異なります。この4つのバランスを考えることが大切であり、人間は精神と身体を別々に評価しどちらかが停滞したら、その停滞した方の栄養を増やすようシフトする必要があるとお話をいただきました。
また私達の現代食は、カロリー過剰と副栄養素失調、日本人の遺伝性や代謝システムからくる食性に合わない食の氾濫が起きており、栄養素の量的修正、食材の質的選択が求められています。素材の栄養価の低下、多重加工食品の増加、身体的ストレス失調と精神的ストレス過剰、そして遺伝子多型が原因です。サプリメントは加工の中で捨てられる必要な栄養素を補う逆加工食品なのです。加工とは、他の動物が腸管など体内で微生物や酵素を利用して行っていることを体外で代行する行為であり、消化の一部と見なせ、サプリメントを補うことで、うまく機能するのです。
人間は他の動物とは違い、想像力と創造力、哲学的能力を持っています。次元を異しています。子孫繁栄が目的ではないのです。生きることが目的ではないのです。生きることは手段です。人を見た健康法を学ぶことができました。
そして、サプリメントは環境の変化に対応した、人のことを考えた食品であると感じることができました。

(文責:受講者・瀬尾泰裕)